「新型コロナウイルス」が
流行を 続けています。
このコラムを読んでいる 皆さんは、
「新型コロナウイルス」に関する
ニュースについて、
どんなことを 知り、
どんな行動を しているでしょうか。
テレビを 見たり、
インターネットに アクセスして
予防について 調べたり、
SNSで 専門家の意見を 見たり……。
いろんな情報を「探す」ことを 通じて、
自分なりの対策や、どう行動するかを
決めていると 思います。
このように、わたしたちは
毎日何らかの情報源や
ニュースに触れ、
そして それらに対する 情報を
更新し続けることが 出来ます。
ですが、知的障害のある人たちは
情報の理解の 難しさに 加え、
自分に必要な 情報を「探す」ことにも
難しさを 抱えています。
さらに、
一気に 社会の動きが変わったり、
多くの情報が 流れてきたりすると、
知りたい・知りたくないに 関わらず
いろんな情報や 話に触れて
(文字情報や メディアに
普段 あまり触れない方でも、
周りにいる人の 不安や焦りを
何となく 察知して)、
不安定な様子になる 知的障害のある人も
いるかもしれません。
スローコミュニケーションの
ウェブサイトや 会報では、
「新型コロナウイルス」を
取り上げています。
「わかりやすい」かたちで
読みたい人に、
ぜひ 伝えていただければと思います。
本コラムや
スローコミュニケーションの
活動の中でも お伝えしていますが、
知的障害のある人たちに
「わかりやすい」かたちで
文字情報を 届ける際には、
いくつかのコツが あります。
今回のように、ニュースや
社会の動きなどを 伝えるときには、
「背景」や「理由」
(今回であれば 流行のしくみ)の説明を
入れること、
それから「自分の身に 起こることに
引き付けて、具体的な形で 伝えること」
(今回であれば、
「自分が」どう予防すればいいかと、
「自分の」体調が 悪くなった時
どうすればよいか)、の2点を
ぜひ 心がけていただければと思います。
いずれも、知的障害のある人たちに
情報を伝える際に
自然と 実践されていることでは
ありますが、
スローコミュニケーションでは
こうした原則に 基づきつつ、
わかりやすい言葉を用いて 伝えています。
新型コロナウイルスに関する
社会の動きは
大きく 急なものでしたが、
「医療」や「健康」に関する情報は、
知的障害のある人たちの生活に 直結し、
日常を 大きく左右するものです。
ですが、人生の選択に 関わるような
大きな病気(がん等)について、
わかりやすい情報提供は
ほとんど ありません。
また、病気の説明や 治療方針を
選ぶことについても、
自分で 判断ができないこととして、
本人を 飛び越えて
決定が 行われていることが
多々あります。
スローコミュニケーションでは
2020年度以降、
一人ひとりの 意思決定を
よりよいかたちで 支えるために、
医療に関する情報の わかりやすさにも、
研究・実践の双方から
取り組んでいきたいと 考えています。
ぜひ、次年度も
応援よろしくお願いします。
(文:副代表・打浪 文子)