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▼結婚するかどうか、子どもを産むかどうかは、
人生の中で 自分で決めることの 一つです。
するのも、しないのも、その人の自由です。
もちろん、
自分がしたいと思っても
相手との出会いが なかったり、
パートナーと 考えが違えば、
できないということは あります。
ただし、
「障害者だから 結婚してはいけない」
「障害者だから 子どもを産んではいけない」
というのは おかしなことです。
結婚するかどうか、子どもを産むかどうかは
あなたとパートナーが 納得いくまで話し合って
決めるものです。
▼もしかすると、
「障害者は 子どもを産んでも、育てられない」
と 言う人がいるかもしれません。
しかし、子育ては
親だけですることでは ありません。
障害のない人だって、
自分の家族や 近所の人、職場の人、
病院や学校、役所などから
いろいろなサポートを受けながら
子どもを 育てています。
子育てには いろいろな人が関わって、
子どもといっしょに
親も 成長していくのです。
▼また、周りの人は
「セックスすると 子どもが できちゃうから、
お付き合いや 結婚は しないで」
と 言うかもしれません。
確かに、
セックスして 子どもができることは あります。
子どもが ほしくないなら、
コンドームなどを 使って
きちんと 避妊することが 大切です。
そうすれば、安心した気持ちで
セックスを楽しめると思います。
避妊の方法について くわしく 知りたいときは
インターネットや本で 調べてみたり、
学校の先生や支援者などに たずねてもいいでしょう。
その上で、
もし お付き合いや 結婚をしたいのに
反対されたら、自分の気持ちを
素直に 伝えてみてください。
▼わたしが出会った 知的障害のある人たちは、
パートナーと けんかしたり、仲直りしたり
さまざまな経験をして、
相手や周りの人を思いやることを
大切にしていました。
「誰かを 好きになる」ということは、
「相手の気持ちを 思いやる」ことです。
そこに 障害のある なしは 関係ありません。
そして、障害があるという理由だけで
「好き」という気持ちや
「幸せになりたい」という気持ちが
つぶされることは あってはいけません。
▼それでも、
「お金が 少ないから 不安」
「うまく サポートしてもらえない」
「どうすればいいか わからない」
と 感じている人も いるでしょう。
障害のある人の給料が 安すぎる、
相談できる場所が 少ない、
恋愛・結婚や セックス、避妊、妊娠、子育てのことなどを
学べる機会が少ない というように、
社会には まだまだ 問題があります。
特に「性」のことは 話しにくいかもしれませんが、
「困っている」「わからない」「知りたい」
と 伝えていいのです。
ぜひ 声に出していきましょう。
みんなで 一緒に 考えて、
誰もが安心して 自分の人生を選ぶことができる社会に
していきたいですね。
(寄稿:東洋大学福祉社会開発研究センター
客員研究員・門下 祐子)