判決を伝える 弁護士たち
(写真提供:毎日新聞社)
(音声:西山 祐樹さん)
人は誰でも、
子どもを産むか 産まないか
自分で決める権利が あります。
しかし 1996年まで
「優生保護法」という法律によって、
障害のある人などが
子どもを産めないように
勝手に 手術されてきました。
この法律が 変わるまで
少なくとも 2万5千人が
手術されたと 言われています。
2019年、
国は おわびとして
手術された人 1人につき
320万円を 支払う制度を
つくりました。
しかし、この金額や 国の謝罪が
足りないとして、
手術された人たちは
全国で 裁判を起こしました。
そして 2022年2月22日、
大阪府の高等裁判所は
「国は 裁判を起こした3人に
合計2750万円を
支払わなければならない」
という判決を 出しました。
全国で行っている裁判のうち
このような判決が 出るのは
今回が 初めてです。
これまでの裁判では、
国に お金を支払うよう
求めることはできない
という判決が 出ていました。
手術されてから
20年以上 経っていて、
お金の支払いを求める期限が
過ぎているというのです。
一方、今回の判決では、
20年以上経っていても
国に 支払いを求めることができる
と判断しました。
手術された人たちは
差別や偏見によって、
裁判を起こすために必要な
情報や支援を 得られなかったので、
今まで 裁判を起こせなかったと
認めたからです。
手術された人は、この判決を聞いて
「判決は うれしく思っているが、
悲しみは 今も続いている」
と話しました。