政治と言葉 (野澤 和弘 ①)

野澤和弘の写真

言葉(ことば)は (だれ)がどういう場面(ばめん)
使(つか)うかによって、
まったく 意味(いみ)()わります。

(した)しい仲間内(なかまうち)では (わら)えることが、
(した)しくない他人(たにん)には まったく(わら)えない
ということがありますよね。

()っていることは (ただ)しくても、
(なに)(わる)いことを (かく)そうとしたり、
責任(せきにん)を (のが)れようとしたりする場合(ばあい)
あります。

「セクハラ(ざい)という (つみ)はない」。
麻生(あそう) 太郎(たろう) 財務相(ざいむしょう)言葉(ことば)
おぼえていますか?
部下(ぶか)である 財務省(ざいむしょう)事務(じむ)次官(じかん)
女性(じょせい)記者(きしゃ)に セクハラをしたことで
()めました。
そのとき、麻生(あそう)さんが
記者会見(きしゃかいけん)でのべた 言葉(ことば)です。

たしかに 犯罪(はんざい)についてさだめた
刑法(けいほう)という 法律(ほうりつ)(なか)には
「セクハラ(ざい)」はありません。
そういう意味(いみ)では
麻生(あそう)さんの発言(はつげん)は まちがってはいません。
しかし、セクハラは
相手(あいて)(きず)つける、(ゆる)されない行為(こうい)です。

では、なぜ 麻生(あそう)さんは
あんな発言(はつげん)を したのでしょうか。
影響力(えいきょうりょく)のある 政治家(せいじか)
「セクハラ(ざい)という (つみ)はない」
何度(なんど)()い、
それを テレビが何度(なんど)(なが)すのです。
「セクハラは (つみ)ではないんだ」
「そんなに(たい)したことでは ないのかも」
(おも)ってしまう(ひと)が いるかもしれません。

そういうことを
麻生(あそう)さんは わかっていて、
部下(ぶか)(まも)るために
あえて 問題(もんだい)発言(はつげん)をしているのでは
(おも)えてしまいます。

また、内心(ないしん)では
「セクハラなんて (たい)した問題(もんだい)じゃない」
(おも)っている(ひと)
意外(いがい)に (おお)いかもしれません。
でも、そんなことを()(ひと)
あまりいません。
批判(ひはん)されるのが (いや)だからでしょう。
麻生(あそう)さんは
そんな(ひと)たちの本音(ほんね)を 代弁(だいべん)して、
ウケを ねらったのかもしれません。

そういうことを(かんが)えると、
麻生(あそう)さんの 発言(はつげん)
「まちがってはいない」
()えるのだろうかと
(くび)を ひねりたくなります。

言葉(ことば)は ()()(ひと)によっても
意味(いみ)()わります。
社会(しゃかい)に さまざまな(かたち)
影響(えいきょう)を (ひろ)げていきます。
言葉(ことば)は とてもだいじです。

((ぶん)代表(だいひょう)野澤(のざわ) 和弘(かずひろ))

 

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