企業から 障害者福祉へ 転職や出向 (野澤 和弘)

(音声(おんせい)天馬(てんま) トモエさん)

 

障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)をはじめ
福祉(ふくし)業界(ぎょうかい)人手(ひとで)不足(ぶそく)
深刻(しんこく)()()しています。

一部(いちぶ)人気(にんき)のある法人(ほうじん)
(おお)くの学生(がくせい)新規(しんき)採用(さいよう)募集(ぼしゅう)
殺到(さっとう)していますが、
どれだけ募集(ぼしゅう)をかけても
学生(がくせい)がやってこないと
悲鳴(ひめい)()げる法人(ほうじん)(おお)くあります。

 

一方(いっぽう)企業(きぎょう)では 中高年(ちゅうこうねん)社員(しゃいん)
希望(きぼう)退職(たいしょく)早期(そうき)退職(たいしょく)(もと)める(うご)きが
()みません。

女性(じょせい)(よう)下着(したぎ)メーカーの
ワコールホールディングス(京都市(きょうとし))は
2024(ねん)(がつ)
150(にん)程度(ていど)希望(きぼう)退職者(たいしょくしゃ)
募集(ぼしゅう)したところ、
(おお)きく上回(うわまわ)る215(にん)応募者(おうぼしゃ)があったと
発表(はっぴょう)しました。

同社(どうしゃ)不採算(ふさいさん)(てん)撤退(てったい)(すす)め、
経営(けいえい)()(なお)しを (はか)方針(ほうしん)
()()していますが、
業績(ぎょうせき)不振(ふしん)会社(かいしゃ)だけでなく、
業績(ぎょうせき)好調(こうちょう)会社(かいしゃ)
人員(じんいん)整理(せいり)(はし)っているのが
現在(げんざい)特徴(とくちょう)です。

AIえーあい人工(じんこう)知能(ちのう))の進化(しんか)普及(ふきゅう)によって
ホワイトカラーの仕事(しごと)省力化(しょうりょくか)され、
国際(こくさい)競争(きょうそう)()(のこ)るため
コスト(げん)を しようというのです。

 

以前(いぜん)から、障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)事業所(じぎょうしょ)では
企業(きぎょう)から転職(てんしょく)してきた(ひと)
時々(ときどき) ()られます。

転職者(てんしょくしゃ)にとっては
まったく(こと)なる業界(ぎょうかい)になりますが、
企業(きぎょう)での経験(けいけん)障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)()かし、
やりがいを (かん)じている(ひと)
(すく)なくありません。

情報(じょうほう)体験(たいけん)機会(きかい)が ないために
躊躇(ちゅうちょ)しているものの、
潜在的(せんざいてき)福祉(ふくし)への転職(てんしょく)希望者(きぼうしゃ)
(おお)いと(おも)います。

 

福祉(ふくし)仕事(しごと)は きつい(わり)給与(きゅうよ)(すく)ない、
資格(しかく)がないと (はたら)けないのではないか、
という先入観(せんにゅうかん)()っている(ひと)
(おお)いでしょう。

しかし、スローコミュニケーションが
2020年度(ねんど)
厚生労働省(こうせいろうどうしょう)推進(すいしん)事業(じぎょう)として
企業(きぎょう)から福祉(ふくし)への 転職者(てんしょくしゃ)
アンケート調査(ちょうさ)を したところ、
給与面(きゅうよめん)人間(にんげん)関係(かんけい)・メンタルヘルス(めん)
「まあまあ満足(まんぞく)」が
(もっと)(おお)回答(かいとう)でした。

ビジネスでは()られない 感動(かんどう)(いや)しを
福祉(ふくし)仕事(しごと)から ()ている(ひと)
たくさんいます。

 

むしろ、企業(きぎょう)からの転職(てんしょく)
ブレーキを かけているのは
福祉(ふくし)(がわ)だったりします。

昨年(さくねん)大手(おおて)商社(しょうしゃ)から
東京(とうきょう)都内(とない)障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)施設(しせつ)
施設(しせつ)(ちょう)転職(てんしょく)した 男性(だんせい)は、
福祉(ふくし)転職(てんしょく)するために
社会(しゃかい)福祉(ふくし)()資格(しかく)()り、
介護(かいご)施設(しせつ)のスタッフ募集(ぼしゅう)
応募(おうぼ)したところ、
どこに()っても
門前払(もんぜんばら)いをされたそうです。

 

立派(りっぱ)経歴(けいれき)ですね。
でも、経験(けいけん)がない(かた)は お(ことわ)りしています」

 

(だい)企業(きぎょう)長年(ながねん)(つと)めてきた(ひと)
福祉(ふくし)現場(げんば)(はたら)くなんて 無理(むり)
(ひく)給料(きゅうりょう)だと 文句(もんく)()われたら
どうしよう、
(だい)企業(きぎょう)管理(かんり)(しょく)だった(ひと)
指導(しどう)できるわけがない……。

社会(しゃかい)福祉(ふくし)法人(ほうじん)経営者(けいえいしゃ)戸惑(とまど)いが
(つた)わってくるようです。

また、企業(きぎょう)管理(かんり)(しょく)事務(じむ)管理(かんり)仕事(しごと)
()めつけて、
(ことわ)っているケースも (おお)いと(おも)われます。

 

しかし、ある社会(しゃかい)福祉(ふくし)法人(ほうじん)では
長年(ながねん)企業(きぎょう)(はたら)いてきた(ひと)
積極的(せっきょくてき)採用(さいよう)し、
行動(こうどう)障害(しょうがい)のある障害者(しょうがいしゃ)
直接(ちょくせつ)支援(しえん)現場(げんば)
(はたら)いてもらっています。

たたかれたり、(かみ)をつかまれたり、
つねられたりすることも ありますが、
(かれ)らは 平気(へいき)(かお)をしています。

 

「そういう『悪意(あくい)のない暴力(ぼうりょく)』(行動(こうどう)障害(しょうがい))は
どうってことは ありません」

 

(もと)企業(きぎょう)管理(かんり)(しょく)男性(だんせい)()いました。

顧客(こきゃく)からの クレーム、
取引(とりひき)(さき)との ()()き、
同僚(どうりょう)同士(どうし)(あし)()()()い。

熾烈(しれつ)な ビジネスの現場(げんば)
神経(しんけい)を すり()らしてきた(ひと)にとっては、
()きにくさゆえに
行動(こうどう)障害(しょうがい)()こしては 誤解(ごかい)される
障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)していると
(いや)し」すら (かん)じられるというのです。

 

都内(とない)障害者(しょうがいしゃ)施設(しせつ)
施設(しせつ)(ちょう)転身(てんしん)した男性(だんせい)は、
大手(おおて)商社(しょうしゃ)(つと)めていたころ
エジプトに (けい)10(ねん) 駐在(ちゅうざい)したそうです。

異文化(いぶんか)体験(たいけん)()れています。
商社(しょうしゃ)マン()障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)仕事(しごと)
()いていると(おも)う」と()います。

 

企業(きぎょう)(はたら)いている(ひと)
すべて()いているとは (おも)いませんが、
調整力(ちょうせいりょく)交渉力(こうしょうりょく)
不測(ふそく)事態(じたい)対応(たいおう)する能力(のうりょく)
顧客(こきゃく)のニーズを つかんだり
多様性(たようせい)()()れたりする センスなど、
企業(きぎょう)での経験(けいけん)
()()けている(ひと)はいます。

そういう人材(じんざい)
障害者(しょうがいしゃ)支援(しえん)現場(げんば)()かすことを
もっと (かんが)えるべきではないでしょうか。

 

スローコミュニケーションの調査(ちょうさ)
まとめた(ほん)は、
以下(いか)から ()むことができます。

障害者(しょうがいしゃ)福祉(ふくし)業界(ぎょうかい)への転職(てんしょく)BOOKぶっく

福祉(ふくし)ではたらく」(2021(ねん)(がつ)

https://slow-communication.jp/info/2609/

((ぶん)代表(だいひょう)野澤(のざわ) 和弘(かずひろ))

 

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