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「介護・福祉現場のICT化が急がれる」
そんな言葉を、新聞などで見たことがありませんか?
ICTは、「情報通信技術」とも いいます。
メールやSNSなども そうですし、
膨大なデータを やり取りするためのテクノロジーまでも 含みます。
こういったICTを利用して、
コミュニケーションを よりスムーズにしたり、
サービスの品質を よりよくしたりする 取り組みのことを
「ICT化」と言います。
いま日本では、
子どもの数が減り、人口も減っています。
介護・福祉業界では、
ますます働き手が足りなくなるでしょう。
日々の支援記録や 申し送り、
長期的な支援の方向性をまとめた支援計画書、
毎月 提供したサービスの種類や量を
国や自治体に報告する請求業務など、
時間のかかる事務仕事も多い職場です。
少ない人数で 効率よく 仕事を進めていくためには、
色々なテクノロジーを活用して、
こういった事務作業の無駄を減らしていくことが
大事になります。
しかし、介護・福祉業界は、
まだまだICT化が進んでいない業界なのです。
僕が就職した施設も、
ワードやエクセルを使って 記録や計画書を作っていたり、
申し送りは 手書きで行われていました。
ひとりの若者の素朴な感覚に照らしても、
効率的とは言えない方法でした。
就職した当初から
「もっと効率的な方法が あるのでは?」
と思っていたので、
仕事をひと通り覚えた3年目、
新しいソフトの導入によるICT化を 提案してみました。
僕が導入したいと思ったソフトは、スマホでも使え、
日々の記録や申し送りを 写真とともに
SNSのタイムラインのように 共有できるものでした。
「このソフトを導入すれば、この施設は今よりもよくなる!」
そう 確信して 提案しました。
提案に対して、
施設長は 導入に賛成してくれたものの、
現場の先輩や同僚の中には、
これまで慣れ親しんだ方法を変えることに
反対する人も いました。
もちろん、反対を押し切るわけにはいきません。
結果的に、提案から2か月ほどで ソフトは導入でき、
大きなトラブルも 起きませんでした。
導入にいたるまでに 僕が大切にしたこと、
そして、介護・福祉業界が
これから新しいものを取り込んでいくために 必要なことは——
次回 お話ししたいと思います。
(文:社会福祉法人グロー・御代田 太一)