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こんにちは、あるいは、初めまして。
一般社団法人スローコミュニケーションの副代表、
打浪 文子です。
一昨年も去年も
コラムを 担当していましたが、
「わかりやすい情報」について
皆さんに お伝えするだけで
良いのだろうか……と、
実は 少し悩んでいました。
そんな中、春先に 祖母を亡くし、
久々に 地元方面へと 帰省しました。
コロナ禍もあり、
実家の家族と会う機会も
減っていましたので、
本当に 久しぶりに
父母や弟と 会いました。
わたしの弟は、
自閉症スペクトラム障害の傾向を
有する、重度の知的障害者です。
祖母の通夜のために
長距離を 移動してきて、
葬儀場に泊まることとなった 弟は、
慣れない環境に 少し不安そうでした。
けれど、納棺後の祖母を 見ると
静かになり、頬に触れて
「おばあちゃん 亡くなりました」と、
何度か 繰り返していました。
自閉症スペクトラム障害の傾向のある
弟は 何度も同じ話をしますし、
時に おうむ返しのような言動も
あります。
普段から 淡々とした
しゃべり方をしますが、
祖母の頬の冷たさに 触れて
繰り返した呟きだけは、
静かな物言いの中にも
彼の感情を
多彩に秘めているように思えて
なりませんでした。
わたしは 大学進学時に 実家を出て、
今は 弟とは 遠くに暮らしています。
けれど、わたしは
この家族と共にあり、
そして 弟と共に育った
「きょうだい」だなあと。
とくに、冠婚葬祭の機会には
強く 実感します。
そして、家族4人が
そろったところで 生じる、
自分や家族に 染みついている
様々で独特な
コミュニケーションのあり方を、
この春改めて 自覚しました。
そこで、今年度は。
わたしが何故
「知的障害のある人たち(と)のコミュニケーション」に
興味を 強く持つようになったのかを、
弟や家族との エピソードを通じて
お伝えできればと思います。
「研究者」や
「副代表」としての顔ではなく、
一人の「わたし」として。
そして、どこにでもいる
30~40代の
「知的障害者(本人)」と
「きょうだい」の 在り方の一つとして。
これまでの家族とのやりとりや、
弟とのコミュニケーションの
難しさや 面白さ、
時に 苦い想いをしてきたことなども
含めて、
わたしなりの
「スローコミュニケーション」の様子を
描いてみたいと思います。
1年間、どうぞ お付き合いください。
(副代表・打浪 文子)
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