裁判をした 子どものお父さん
(写真提供:毎日新聞社)
(音声:ゆたさん)
2025年1月20日
大阪高等裁判所は、
7年前に 交通事故で亡くなった
障害のある子どもの 「逸失利益」を
判断しました。
今回 裁判所は、
この子どもの逸失利益を
障害のない子どもと 同じだと
認めました。
これは 全国で初めての
裁判の結果です。
「逸失利益」とは、
事故で 亡くなった人が
もし そのまま 生きて働いていれば
もらえるはずだった
お金のことを いいます。
今回の裁判では
交通事故で 亡くなった
11歳の子どもの 両親が、
子どもをはねた 運転手と
その運転手の会社に
お金を払うよう 訴えていました。
その子どもには 聴覚障害があり、
裁判では、
その子どもの 逸失利益が
いくらなのかが 問題になっていました。
1回目の裁判では、
聴覚障害を理由として、
障害のない子どもの
85%の金額しか
逸失利益を 認めませんでした。
これについて 子どもの両親は、
障害があるからといって
金額を減らすのは おかしいと、
さらに 訴えました。
2回目の裁判では、
障害のない子どもと
同じ金額が 認められました。
今は コンピュータの技術が進んで、
文字でのコミュニケーションなどが
簡単に できるように なっています。
そのため、
職場での ちょっとした配慮があれば
聴覚障害があっても
障害のない人と 同じように働けると、
裁判所は いいました。
裁判の結果について 子どもの両親は、
「障害を理由に 金額を少なくするのは
差別で おかしいので
同じ金額にするのは 当然だ。」
「子どもが がんばって生きてきた11年を
認めてもらった気がして うれしい。」
と話しました。
これまでの裁判では、
障害のある子どもの 逸失利益は
障害のない子どもと比べて
少なく 計算されていました。
今回の裁判が きっかけになって、
ほかの裁判でも 逸失利益の考えかたが
変わっていくかもしれません。