
(音声:天馬 トモエさん)
日本の学校で教えられる おもな言語は、
日本語(国語)と英語です。
どちらも、
文字と発音の関係が複雑な言語です。
日本語だと
漢字が「バリア」になると いわれます。
漢字自体が 複雑な文字で 種類も多いですし、
1つの漢字に 何とおりも読みかたがあるのは
日本語 独自の特徴です。
(中国語では、1つの漢字につき
読みかたは 基本的には 1つだけです。)
英語の場合、
つづりが 読みかたに うまく対応していないと
いわれます。
たとえば、
「よりよい」を意味する「better」では、
初めの「e」は「エ」のような音ですが、
2つめの「e」は「r」と合わさって
「ア」のような音になります。
また、
「つくり出す」を意味する「create」では、
初めの「e」は「イ」のような音で、
最後の「e」は 読みません。
ほかにも、「gh」という つづりは
「騎士」という意味の「knight」だと読みませんし
(さらに 最初の「k」も読みません)、
「笑う」という意味の「laugh」だと
「f」の音になります
(そして「au」が「ア」のような音になります)。
英語のつづりが このように複雑なのは、
発音が 昔とは変わっても
つづりは 昔のままにしていることが
理由の一つです。
英語を勉強する人からすると
「発音どおりに つづりを変えれば よくない?」
と思ってしまいます。
しかし、つづりを変えると
不都合も あるのでしょう。
たとえば、
「私は昨夜ほとんど眠れなかった」という文は
英語で
I could hardly sleep last night.
となります。
この文を できるだけ 発音どおりに書くとしたら
Ai kud haadli sliip last nait.
といった表記になります。
書いてあるとおりに 読めばいいので
楽なようにも思います。
しかし、英語を知っている人だと
逆に 読みにくいかもしれません。
実は、表記は
発音を あらわしているだけではなく、
単語も あらわしているのです。
自分が 読み慣れている言語であれば、
文字を 1文字ずつ認識するのではなく、
1まとまりの単語として 認識します。
表記が 変わってしまうと、
もう一度 その表記に慣れる必要が
出てくるのです。
日本語から 漢字がなくならないのも、
そのためだと 思います。
日本語から 漢字を減らそう・なくそうという主張は
幕末・明治時代から出てきて、
一時は 本当に漢字がなくなる勢いでした。
しかし、漢字の価値を大切にする主張もあり、
漢字は 残りました。
漢字の価値として
「漢字がないと わかりにくくなる」
という考えもあります。
でも、話すときには 漢字を使わないですよね。
話しているときに
「漢字であらわせなくて 不便だな」と感じることは、
あまり ないと思うのです。
わたしは
漢字がなくても 理解には さしつかえない、
結局は「慣れ」の問題だと 考えています。
今年度のコラムでは、
言語の文字のことについて
いろいろな観点から お話ししていこうと思います。
次回からは
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よろしくお願いいたします。
(文:副理事長・羽山慎亮)